2020/09/28
「ゼロから始める竹竿作り」製作編その14(熱処理について)
目的はひとつなのに、人それぞれなのが熱処理で、この難題を自信満々語ったら大炎上しかねないから先に逃げを打っておきます(笑)。
ただ、安定度を求めるならオーブン併用が望ましいのは確か。
で、そうなると自作、あるいはショップメイド品を購入し、
テストピースを何本も焼いてデータ作りをしなくてはなりません。
そこで迷うのが温度管理の問題です、いったい何度で何分が適正なのかってこと、
これが案外ヤヤこしい、細かいこと考えたら混乱必至なのですよ。
竿を作るための熱処理って何なのかを、超初心者向け解説をしますと、
表カリカリ中もっちり、これに尽きる、
ので、パリッとして曲がり癖が付かない竿が欲しければ、
予め表層をできるだけ硬くする(焦げるほどの高温処理)、
内部は脱水縮合変化で十分、だから直火とオーブン併用。考え方として簡単でしょ。
竹の熱処理についてWeb上に文献が出てるからいちど目を通すとよいです、
その中では、強度劣化を起こさない処理温度は約150℃内外がよろしいとか、
水分が抜けた隙間は収縮し樹脂で固まり、諸特性が安定するようです。
ただし、これは木工材料としての実験データです、これで作ったら使えんでしょう、
単に水分が入り難いだけじゃ通用しないからね、釣り竿は。
1000℃にも達する炎でバーッと焼いたら表面は簡単に炭化(グラファイト化?)します、
加減が大事ですが、表層からコンマ数ミリ(1ミリ未満と思う)はガチガチになる、
そのように拵えた竹ならば、150~160℃位の中に1時間放り込んでおけば用が足りるということですね。
この方法なら失敗が少なく、初心者にもお勧めできます。
長時間はどうも・・な向きには170℃くらい。時間は半分、やや気を遣うけど。
とりあえず実験でも、と考えるならば、
余ってるロッドチューブのキャップを外して吹き流しの簡易オーブンにしましょう、
適当な断熱材を巻いておけばけっこう使えます、
ヒートガンは温度調整できるタイプがいいです。
入口出口で10数℃の温度差がありますが、処理温度も時間も大雑把なものです、
時々竹を反転させてやるだけ。オーブン一発焼きじゃないから気楽ですよ。
もう少ししっかりしたのが欲しくなったら二重式に改造しましょう、
温度差は殆ど無視できるくらいになるし、安全性ではいちばん。