「ゼロから始める竹竿作り」製作編その14(熱処理について)

目的はひとつなのに、人それぞれなのが熱処理で、
この難題を自信満々語ったら大炎上しかねないから先に逃げを打っておきます(笑)。
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先に解説したガストーチ焼きでも良い竿は作れます、
ただ、安定度を求めるならオーブン併用が望ましいのは確か。

で、そうなると自作、あるいはショップメイド品を購入し、
テストピースを何本も焼いてデータ作りをしなくてはなりません。

そこで迷うのが温度管理の問題です、いったい何度で何分が適正なのかってこと、
これが案外ヤヤこしい、細かいこと考えたら混乱必至なのですよ。
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竿を作るための熱処理って何なのかを、超初心者向け解説をしますと、
表カリカリ中もっちり、これに尽きる、
ので、パリッとして曲がり癖が付かない竿が欲しければ、
予め表層をできるだけ硬くする(焦げるほどの高温処理)、
内部は脱水縮合変化で十分、だから直火とオーブン併用。考え方として簡単でしょ。

竹の熱処理についてWeb上に文献が出てるからいちど目を通すとよいです、
その中では、強度劣化を起こさない処理温度は約150℃内外がよろしいとか、
水分が抜けた隙間は収縮し樹脂で固まり、諸特性が安定するようです。

ただし、これは木工材料としての実験データです、これで作ったら使えんでしょう、
単に水分が入り難いだけじゃ通用しないからね、釣り竿は。

1000℃にも達する炎でバーッと焼いたら表面は簡単に炭化(グラファイト化?)します、
加減が大事ですが、表層からコンマ数ミリ(1ミリ未満と思う)はガチガチになる、
そのように拵えた竹ならば、150~160℃位の中に1時間放り込んでおけば用が足りるということですね。
この方法なら失敗が少なく、初心者にもお勧めできます。

長時間はどうも・・な向きには170℃くらい。時間は半分、やや気を遣うけど。

とりあえず実験でも、と考えるならば、
余ってるロッドチューブのキャップを外して吹き流しの簡易オーブンにしましょう、
適当な断熱材を巻いておけばけっこう使えます、
ヒートガンは温度調整できるタイプがいいです。

入口出口で10数℃の温度差がありますが、処理温度も時間も大雑把なものです、
時々竹を反転させてやるだけ。オーブン一発焼きじゃないから気楽ですよ。

もう少ししっかりしたのが欲しくなったら二重式に改造しましょう、
温度差は殆ど無視できるくらいになるし、安全性ではいちばん。
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危うく

家中の窓開け放ってるのに微風すら入ってこない、
エアコンどころか扇風機もない、だから暑いよ、湿気すごいよ。

そんな中で、
なんて年だまったく、と、ブツブツ言いながら作業していたのですが、
午後になり仕事が佳境に入ったころ突然に、
全身がぶわっと膨張し、体中脂汗に覆われるような嫌~な感覚に。

ほどなく、
作業台の上の削り屑がゆらーりゆらりと動き出し、
表ピーカンなのに部屋が薄暗くなり、と、まるでホラー。

驚いて手を止め、周りを見渡したら、
どうも揺れてんのは自分で、ついでに視界もボーっと、

んーっ、コレ、最近話題の熱中症ってやつ?、
椅子に腰かけ、ぬるくなったボトルの水をチビチビ飲む、

「カァさん、ちょっと横になるワ、ずっと目ぇ覚まさんかったら救急車、」

小一時間寝たら復活したけど、なんとも気持ちの悪い経験です。


明日はさらに蒸し暑いって




秋は来ないの?


くっそ暑い中で、200905_1.jpg
タイミング悪く、火を使う作業が集中してしまった、
この先1週間も、終日炎を見続けることになる。
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当地は盆過ぎたら一気に気温が下がるはず(でしたが)、
9月にしてこの高温多湿っぷり、いったい何なんざんしょ。