「ゼロから始める竹竿作り」製作編その8

フェルールの自作について、

旋盤に頼らずフェルールを作るとすれば、
ビギナーでも失敗が少ないのはカーボン素材かな。

多種多様、安価に出回っているから入手に困ることも無いし、
軽くて強靭、切断や削りもヤスリでOK、こんな良いもの使わん手はないです。

例1、ステップダウンフェルール
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構造はビンテージロッドのフェルールと一緒、
ニッケルシルバーパイプがカーボンパイプに、ロウ付けがエポキシ付けに変わっただけです。

サンプルの素材は縦繊維を固めただけの汎用品で、肉厚は約0.5mm、
予め補強などしておかないと製作途中でクラッシュします、
少しお高いクロスプライのパイプなら楽に作業できるでしょう。

性能的には文句のつけようがありません、いちどお試しあれ。


例2 竹フェルール経験者向き少々マニアック
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四六時中考えていたらあるとき突然降りてきました、既知の方法だったりして?、
「なーんだそんなことか」なコロンブスの卵ではありますが。

用意するのは長ナットと適当な敷板(紙でも構わん)、
マスキングテープを適当に巻いたカーボンソリッドを長ナットに通し、
ナットとカーボンの空隙に敷板を置きます、
200219_3.jpg#240ペーパーで3面削ったら敷板を追加し、残り3面を削る、
200219_4.jpg
あっという間に六角スピゴットのマテリアルが、
微調整はプレーニングフォームに乗っけてやれば良い、
実用としては、段落としにしてブランクの破損を防ぐことくらいです。

すっきりした印籠継ぎ、ベンディングは滑らか、
湿気で膨らむことも乾燥で縮むこともない、
カーボンの質感がどうも、なんて言ってる場合じゃないよ、良いものは良い。

これをみたら細く作って竹の化粧張りを考えたくなるでしょ、
でもやめといた方がいいよ、竹が薄いとそのうち根元の繊維が破断するから。

また、フェルールがロッドと一緒にベンディングすると、
竹で出来てるメスがやられることもあります、少し強いかな?がちょうど良い。











「ゼロから始める竹竿作り」製作編その7

ガイドを作る
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市販品、特にいちばん安いガイドがもっとも丈夫で滑りも良い、
だから敢えて自作する必要はないとも思う。

けど、
全てのパーツに自分の足跡(手跡?)を残したいと思うことがあるでしょ、
性能は最安価市販品に劣る、としても完成後の満足感が違うし。

ということで、
トップガイドの作り方
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0.7mmピアノ線を4mmドリル軸に巻き付けて、
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スネークガイドの作り方
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使う線は0.6,0.7,0.8mm,たまに1mmも、
3.5,4.0,4.5mm穴&1mmのワイヤー通し穴を空けた金属板2枚で捻る方式です。

できれば鉄を使いたいところですが、手持ちの都合でアルミ板、
鋼材を買って旋盤を廻せば機能的なのが作れるんだけど、間に合わせを使い続ける癖があるのです。
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傾かないように足を叩き、グラインダーで仕上げます、
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簡単そうでしょ、
でもね、手加減のみの仕事って難しいデ、歩留まりの悪さったらもう。
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昨季のプライベート用が久々感動の出来だったので再度製作中、
5ft6inのベリーショートで、早すぎず、かつ遅すぎず、
ぐちゃぐちゃな藪沢で使って普通の竿と同じようなキャストフィール、惚れ惚れ遊んでました、
個人的には絶品、でも短竿愛好家は極少数だから商売にはならんだろう。