2019/10/07
裂いた竹を下拵えする節が高く繊維層が薄いマダケは必ずしもスプリットケーンロッド向きじゃない、
のに、敢えてその素材を使う意義は?、
なんて堅いコトは抜き、「あちこちに生えてんだから使ったらいいべさ」でいきましょう。
とは言ったものの、マダケの節は出っ張りすぎております、
潰しても次に熱を加えると戻ってくるし度々直すと脆くなるし厄介。
で、四苦八苦の途中、はたと思いついたんです、
丸竹のままじゃなく、裂いて曲がり直しと節潰しをして保管しといたらどうか、
エージングで固まるはずだから扱い易く変わるかも?、ってね。
いまのところ、2,3ヶ月から半年前に下処理した竹を使ってますが、
その程度でも、なんか効いてる気がしてますよ。
青竹を下処理して2,3年枯らしたらどうでしょうか、
私は1年先を考えるのがコワい(笑)けど、これから始めるなら絶対おすすめ。
まずは刃研ぎスタンレー・ローアングルで、なまくらと称される純正刃を上手に使うべし、
切れ味鋭い鍛造替刃は、フォームを鰹節みたいに削っちゃうからまずいですよ。
予め付いてる角度25度は竹削りには向きませんから、
喰い付きや刃持ち等を考え、用途に合わせて研ぎます。
より硬いトンキンにも使うとして、
荒削りや整形用なら35度、仕上げは42度を基準にすれば良いでしょう。

刃先のみに角度を付けるのがベスト、鈍っても仕上砥のみでタッチアップできます、
曲がり直し、そして節潰し
裏は平らにしますが、表には手を付けません、
びっちり圧縮しても1週間以内に2つの山は復元します、削るのはそれからで良い、
潰しのスペーサーに利用できるなら好都合だべ、ということです。
マダケは熱の入りが早いから修整は簡単、
弱火の炎に数回通して棹を(大まかに)伸ばす、それから節ですね。

回しながら2,3度炎の中を通し、いったん外しまた繰り返す(燃やさないため)、
熱が通ったら(100度くらい)手早く曲がりを直し、脇をバイスで押さえる、
五つ数えてバイスから外し、くるりと一度炎に当てたら今度は節をプレスする、
挟んでる間に次の竹を加熱する。 こんな流れです。

凹凸のプレス治具は不要、節を削らず、裏をえぐることもしない、
手抜きに見えるけど実は合理的?なのだ。


次回から製作編です。